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大阪府製本工業組合
理事長 田中 尚寛

去る5 月23 日、第57 回総会において第12 代理事長を仰せつかりました田中尚寛です。
めまぐるしい勢いでペーパーレス化が進み、組合員が減少していく現代において理事長として何が出来るかと考えると、身の引き締まる思いでいっぱいです。

デジタルの進展、それにともなう紙(製本物)の需要の低下は明らかな時代の流れとして否定することはできません。デジタルと紙の代表的な議論は「教科書」に見られます。

文部科学省が発表している「デジタル教科書 推進ワーキンググループ 審査まとめ」においても、「AI やビックデータを活用したデジタル化が社会のすみずみまで浸透していくなかデジタルによる教育の充実が求められ、ICT は不可欠なものである」と謳っています。
しかしながら、「紙の良さとして一覧性や俯瞰性等があること、書く作業によって記憶や理解が深まること、体験的な活動が非認知能力を高めること」とも指摘しています。
(私からすれば「紙は人間を豊かにする」という指摘に聞こえます)
また、国家レベルでデジタル教科書を推進してきたスウェーデンでは行き過ぎたデジタル化を見直す動きがあることも報告されています。
デジタル化真っただ中においても紙は必要と結論づけられています。

この教科書の現状のように、紙(製本)とデジタルを二項対立したふたつのものとして考えるのでなく、なにか相互補完するものとして考え、「紙と社会のあり方」を模索する機会をみなさんに提供することが私の第一の役目と考えております。

第二の役目は紙の価値をどう伝えいくかを考える機会を創ることです。

大切な仲間がいなくなったことを淘汰とは呼びたくありませんが、淘汰が進んだことは事実です。残っている我々は、まさに少数精鋭です。我々少数精鋭にとって自分たちの商品を安売りせずにすむ土壌が整いつつあります。ところが、自分の商品の価値を訴求することが苦手(してこなかった)な我々には価値以下で売ってしまう傾向があります。すなわち、従前の価格競争に自ら陥ってしまっています。
自社商品の価値とは特異な技術だけではありません。品質、納期対応、ネットワーク、対応の良さなど特別な設備や仕組みがなくても提供できるものを含め、すべてが自社商品の価値です。
まずは「自社の立ち位置」を感じてください。そして自社商品の価値をどう訴求するかは業界の流れの把握や関連団体との連携を持つことから始まります。「アンテナ」を張って組合活動に参加すれば自然と自社商品の価値は見えてきます。是非ともご参加ください。

難しいことを書き連ねましたが、組合の魅力は「ワイワイガヤガヤ」と笑顔と笑顔がぶつかり、元気をもらえるところにあると、いつも感じております。
「よく学びよく遊ぶ」の側面も十分に考えながら組合運営を進めて参ります。

すべてはみなさまのご理解とご協力がなければ、上手くいかないことばかりです。
浅学菲才ですが、気合を入れて理事長職を務めさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

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